隅田川に架かる厩(うまや)橋です。
完成は、戦前の1929(昭和4)年。
クリーム色っぽい、曖昧な緑色が『昭和』の香りを色濃く残しています(もっとも、着工は大正時代ですが)。

図書館から借りて読んでいる田山花袋『東京の三十年』(岩波文庫、絶版)に、こんな一節があった。
都下の五大橋、この内で新大橋が一番最後まで元のままの木橋で残ったが、厩橋、吾妻橋、両国橋、新大橋、永代橋、それがすべて、古風な江戸式の木橋であった時代が今更なつかしい。(中略)東京は益々変りつつあった。
初出は、1917(大正6)年の刊行だから、およそ90年前の嘆息ということになる。いつか、この橋が立て替えられた時、私たちは、同じように嘆くのだろうか。(2006年9月19日記)
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