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大塚  儒者捨場 (じゅしゃすてば) を見に行く

この街は何度も訪れていますが、ここだけは何となく避けていました。
儒者捨場――言葉の響きからして、おどろおどろしい。
正式には、『 大塚先儒 (せんじゅ) 墓所 』。 江戸時代の儒学者が葬られている墓地です。
写真・右の鉄扉を開けて入ります。
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訪れる人もなく、深閑としています。
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墓所の起こりは、1670 (寛文10) 年だそうです。
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井戸とは思えません。 ストーンサークルでもないでしょうが……。
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儒学者だけでなく、子供の墓も。
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例によって、永井荷風はここも訪れています。
『 断腸亭日乗 』 1937 (昭和12年) 3月26日付から。

大塚坂下町儒者捨場を見る。 往年荒涼たりしさま今はなくなりて、日比谷公園の如くに改修せられたり。 路傍に鉄の門を立て石の柱に先儒墓地と刻したり。 境内に桜を植えたるなど殊に不愉快なり。

この記述を読む限り、荷風はここを何度か訪れているようです。
かつては荷風好みの 『 荒涼たりしさま 』 だったのが、今や、『 日比谷公園の如くに 』 なってしまった――と、嘆いています。
が、ご覧のように、人々が集い憩うような場所とはとても思えません。
ひょっとしたら、あの“ストーンサークル”は、ベンチか花壇だった?

それにしても、このところ、どんどんジジ臭いブログになってます。
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by muffin-man | 2007-10-17 18:49 | 大塚/池袋 | Comments(22)
Commented by neon at 2007-10-17 20:28 x
いえいえ。どんどんジジ道を突き進んで下さい。
まだまだneonはついていきますので~。(すでにババ)
Commented by jitensya7 at 2007-10-17 21:04
墓地のことを捨場というのはすごい呼び方ですね。儒教では死体を捨てるように葬る風葬や鳥葬みたいなやり方だったのでしょうか。荷風の足跡をたんねんにたどっていますね。
Commented by nobulinn at 2007-10-17 22:08
こんばんは。
大塚にそんな場所があったなんて、知りませんでした。
お写真拝見すると、荷風先生が嘆いたような桜の下で人が集いって雰囲気よりは、「荒涼たりしさま」って印象の方が強いですね。
マフィンマンさん、どうぞこのまま荷風の足跡を丁寧になぞる旅をお続け下さい(^^)
Commented by Rambler5439 at 2007-10-17 23:02 x
迂闊にも、この一帯は全体が御陵だとばかり思っていました。いま地形図で確認してみましたが、たしかに別施設です。立ち入り出来ることにも驚きました。
それにしても"儒者捨場"とは凄まじいですね。語感から、まだ屍臭を嗅ぐことがそんなに珍しいことではなかった時代をリアルに感じました。
Commented by @テツ at 2007-10-17 23:22 x
「理容オハラ」さんとは道を隔てた反対の並びに酒屋さんがあって、
その脇の路地を入っていった所に神社がありましたけれど
そのさらに奥にあるのですね。
この辺り、また行ってみたくなりました。
帰りにときわ食堂で麒麟ビール飲もう。
Commented by korotyan27 at 2007-10-17 23:57
儒者捨場・・・とはすごい。捨てるような葬儀でありながらお墓があるのは
どのようなことなのでしょう?
お墓の前のサークルもなにかの意味がありそうですね。
Commented by aoi_color at 2007-10-18 03:33
神社で鍵を借りて入るのが億劫で一度も入ったことがありません。
それより隣のアパートが気になって潜入したことがありましたがこのアパート「銀河鉄道999」の「大四畳半惑星の幻想」というお話に出て来る下宿屋のようでした。
Commented by lucca-truth at 2007-10-18 06:39
おはようございます
荷風先生は本当に東京中を歩いていますね。
お墓なんですね、なんだかひっそりとして
東京の風景ではないですね。
日比谷公園の如くってどんな感じだったのでしょうね。
Commented by rrb at 2007-10-18 09:19 x
おはようございますm(..)m

奥が深いですね。
儒者捨場という呼び方もスゴイものがあります。
しかし、それが事実なんですよね。
ストーンサークルは墓前にあるのか墓後にあるのか、
ちょっと判断がつきませんが、どういう役目なのでしょうねぇ???
とても興味があります。

>どんどんジジ臭いブログ…
決してそうは思いませんよ。
荷風先生の足跡の「今」を見せていただくのはとても楽しいです。
「今京都」ならず「今荷風」だと拝見させていただいてますm(..)m
Commented by haru-155 at 2007-10-18 20:27
今晩は!儒者捨場というネーミングには、自分もびっくりしてしまいました。。鍵を開けて入ってくるのですね!気が早く散り敷いている落ち葉は桜のような気がするので、、どこかに木があるのかな~・・

日陰の静まりかえった、、静かな墓地という気がします・・ストーンサークル、、不思議ですが、、しっくり収まってますね♪

>>どんどんジジ臭いブログ…
全然そんなふうには、自分も思いません。興味や、テーマがますます深まっていく・・まさに「あらまほしきブログ!」と思われます・・単なる写真の補足に過ぎないブログの、自分は、爪のあかでも頂きたいようです!
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:25 x
neonさん
“墓場めぐり”をするようになったら荷風趣味も板についてきた、とも思いますが、やっぱり、ただのジジ道はジジ道ですね。
16~17日は休みだったのですが、ヤボ用があり展覧会に伺えませんでした。
本日は夕方から仕事なので、その前に必ずお伺いします。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:25 x
jitensya7さん
>儒教では死体を捨てるように葬る風葬や鳥葬みたいなやり方
そういう説もあるようですが、実はよく分かりません。
ただ、この墓所を見る限り、全くそう言うことはないようです。
ここは東京都が管理しているのですが、案内板も貧弱な記述しかされてなく、分からないことだらけです。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:26 x
nobulinnさん
ここは、豊島が丘御陵に隣接しています。
そのため、一帯は鬱蒼として、昼なお暗いというイメージです。
ここには、隣接する吹上稲荷神社でカギを借りて入ります。もう、ジジ道まっしぐらです。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:26 x
Rambler5439さん
この後散髪で立ち寄った理容オハラさんの女将さんは、「先儒さん」と呼んでました。
地元の人にとっては、「先儒さん」が通り名で、さすがに、「儒者捨場」とは呼んでないようです。
「捨場」ってスゴいですよね。「大辞林」にも載ってません。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:26 x
@テツさん
その「理容オハラ」さんは、この撮影の後、行きました。
ヤクルトタフマンをご馳走になり、店頭の撮影もさせて頂きました。
ふふふ、今回は、1分刈り。ほとんど、“謝罪会見における亀田次男坊”のようです。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:27 x
korotyan27さん
儒者捨場に関しては、まだナゾだらけです。
考えてみると、儒学そのものが今や高等教育でも顧みられない学問です。
と言うか、漢文すら今の高校ではろくに教えてないようです。英語ばかりもてはやされますね。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:27 x
aoi_colorさん
ここは都が管理し、吹上稲荷神社が管理を委託されているようですね。
おっしゃるように、このアパートのたたずまいはなかなかのものです。
大塚は、小さな路地をひょいと入ると、そこにはまさに宇宙が広がっていますよね。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:27 x
lucca-truthさん
荷風先生の歩きっぷりは半端じゃありません。
最近は散歩ブームのようですが、名所旧跡には一瞥すらくれず、ただただ陋巷を歩む。
先生は、まさに「路地王」と呼ぶに相応しい街歩き者です。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:28 x
rrbさん
撮りながら思ったのですが、ここが、「文学者の墓地」だったら、様相が違うんだろうな、と。
儒学者と言っても、今日び、一般的には知る人もかなり少ないだろう、と思うのです。
それだけに、墓地はひっそりしてます。「日比谷公園の如く」は、全くナゾです。
Commented by マフィンマン at 2007-10-19 09:28 x
haru-155さん
すぐ近くには池袋サンシャインシティがあるのに、この静けさ……。
驚いたことに、墓所の地面は、フワフワの土でした。
つまり、本当に訪れる人が極端に少ない、ということですよね。ヤブ蚊もひどかったし。
Commented by tacet at 2007-10-31 17:25 x
はじめまして。私は、地図で見つけてどうしても行きたくなり、昨年の梅雨時に訪問しました。霧雨の中で風情があり(すぎ?)ました。隣のアパートも。
短いながら参道の四角い石も独特でしたね。
今後もすばらしい風景を期待しております。
Commented by マフィンマン at 2007-11-01 01:16 x
tacetさん
初めまして。ようこそお出で下さいました。
ここ、地図に載っているんですか? おいらの持っている「文庫判 東京都市図」(昭文社)には全く載ってません。
霧雨の「儒者捨場」は、さぞかしおどろおどろしくリアルだったんでしょうね。でも、それは、ある意味「絶景」だったのではないでしょうか。羨ましいです。
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