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浅草  花やしき通りの夏

空が広い。 2年前の風景。
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戦前から戦後にかけての浅草は、善男善女が集まる?現代とは異なり、街娼がたたずむ妖しい街だった。
永井荷風だけでなく川端康成もこの街に魅了され、『 浅草紅団 』 がよく知られるが、『 浅草日記 』(1930~31年)では、街娼の視線でこの街を見つめている。

私のような商売が立派になりたち、私のような女をさがす病気の男の欲望も立派にみたされる、そこが浅草の恐ろしいところ、ありがたいところ。( 中略 )たいていは松竹座の絵看板の前に立つことを手始めとする。ここは公園の一つの門。先ずこの入口に立って、六区のその夜の潮加減をじっとうかがうといった風に。

「 夜の潮加減 」という表現がスゴい。

街娼で思い出すのは、新大久保。
高校生だった1970年代後半、山手線・新大久保駅と職安通りを結ぶ小径 (こみち) に彼女は、いた。
あの 「彦左小路」 の近く。
一言も口をきいたこともないし、ハッキリそれと証拠立てることもできないが、夕暮れともなると電柱の下にたたずんでいた彼女は、間違いなく夜の女の一人だったのだろう。

地方では、札幌で見た。
80年代前半のススキノのはずれ、木造2階建ての貧相な飲み屋街の角々に、いた。
雪が降り積もる真冬も、彼女たちはタバコを吹かしながらたたずんでいた。

新大久保とススキノのはずれ――遠く離れ、まるで無関係の街だが、当然のことながら、
「近くに連れ込み宿が何軒か集まっている」
という点で共通している。

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by muffin-man | 2008-07-16 20:10 | 浅草
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