東向島  淫祠 (いんし)、しっとり

墨堤通り沿いの 『 子育て地蔵堂 』。
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いくつもの地蔵が並び、中には、半ば土中に埋もれている地蔵もありました。
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永井荷風は 『 寺じまの記 』(1936年) で、地蔵堂について次のように書いています。

地蔵坂と云うのは、むかし百花園や入金 (いりきん) へ行く人達が堤を東側へと降りかける処 (ところ) で、路端に石地蔵が二ツ三ツ立っていた

昔は、現在ほど多くの地蔵が立ち並んではいなかったようですね。
『 地蔵坂 』 とあるのは、地蔵堂近くの坂 (実際には、坂とは到底言えないような道) です。 
また、『 入金 』 とは、当時栄えた、近くの料亭の名。
なお、荷風ファンにはお馴染み 『 寺じまの記 』は、寺島町 (玉ノ井、現在の東向島) の色街を活写しており、その数カ月後に著された 『 墨東綺譚 』 の“メーキングもの”としても楽しめます。
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by muffin-man | 2007-06-28 22:48 | 東向島/京島/墨田/向島/文花 | Comments(22)
Commented by Rambler5439 at 2007-06-28 23:09 x
雨に濡れた朱色の前垂れが印象的です。やはり墨東には雨が似合いますね。明日は夕方から雨という予報。黒い蝙蝠傘をさして地蔵坂界隈をぶらつきたくなりました。
Commented by readymade_ayu at 2007-06-28 23:37
しっとり雨にぬれてステキな雰囲気ですね。
色とりどりのお花をいけている方の愛情を感じます。
Commented by KENT at 2007-06-29 00:10 x
こんばんは。
子育て地蔵堂。確かに雨にぬれて、しっとりですね♪
地蔵が黒っぽいので、他の色がいきいきと輝いているようです。
さっすが!マフィンマンさん♪
Commented by マフィンマン at 2007-06-29 07:08 x
Rambler5439さん
黒い蝙蝠傘、好いですね~、まるで荷風先生です。
でもホント、今日の夕方は絶好の街撮り日和のようですね。
んん~、行きたい!
それにしても思うのは、荷風先生、東京のどこもかしこも歩き尽くしています。
Commented by マフィンマン at 2007-06-29 07:08 x
readymade_ayuさん
こういう淫祠というのは、たいてい香華が手向けられています。
撮影中も、近所の女性が水やりに訪れていました。たぶん、清掃する人もいるんでしょうね。
そうやって淫祠は営々と守られているのかもしれません。
Commented by マフィンマン at 2007-06-29 07:08 x
KENTさん
撮影しながら思いましたが、地蔵や庚申塔ってのは、カラカラに乾いた表情も好いですが、雨に濡れると、全く別の表情を見せてくれます。
でも、たぶん、同じ雨でも季節によって微妙に異なるんでしょうね。
真夏の日差しは大の苦手です。梅雨が終わらぬうちにどんどん撮らねば、と思っています
Commented by lucca-truth at 2007-06-29 07:09
おはようございます
荷風先生にもおなじみのお地蔵様ですか、
なかなかしっとりとしたよい雰囲気ですね。
お花もきれいに供えられていて、今でも愛されているお地蔵様ですね。
Commented by rrb at 2007-06-29 09:16 x
おはようございますm(..)m

しっとりしたお地蔵さんには哀愁がありますね。
見ていて優しい気持ちになれます(^^)
とてもいい感じです。

それにしても、
1枚めの水道の蛇口が井戸のポンプであったら、
これ以上の喜びはないでしょうねぇ(^^)
Commented by @テツ at 2007-06-29 13:01 x
このお地蔵さん、去年撮ったことあるのですがまったく平凡なスナップになりました。
マフィンマンさんが撮るとすごく風情のある写真になりますね。
技術的なものももちろんですが感性が違うんでしょうねぇ。
小生もいつかは…と夢見ていますが…
Commented by haru-155 at 2007-06-29 20:28
今晩は!しっとり雨に濡れたお地蔵さん達、
風情がありますね~!
赤い前掛けが、黒を背景に引き立ちますね♪
備えられているのが、紫陽花の花っていうのも
また季節感を感じます!

瑞々しいお供えの花や、新しい前掛けに
地域の方々に大切にされているお地蔵さん
なんだな~って、思われました・・
Commented by nobulinn at 2007-06-29 21:23
こんばんは。
墨堤通りは、何度も通っているのに、ここは知りませんでした。
随分たくさんのお地蔵様ですね。
雨に濡れて、とってもしっとり良い雰囲気のお写真です(^^)
お花がたくさんお供えされてて、心優しい方達が多いのですね。
Commented by jitensya7 at 2007-06-29 22:17
石仏は−補正で獲るのが定石と聞いたことがありますが。雨に濡れたお地蔵さん黒くなって−補正と同じような効果になりましたね。やはりこの方が重厚感がでますね。
Commented by aoi_color at 2007-06-30 03:23
お地蔵さんしっとりと自然の中に溶け込んでいますね。
雨上がりでしょうか?
赤い前掛けも鮮やかです。
Commented by zima at 2007-06-30 09:34 x
こんなことを言ったらばちが当たりそうですが、
赤い前掛けがよだれかけみたいで、可笑しいですね。
しかもお地蔵さんの顔は、かなりイカツイ感じで
そのギャップが面白いです。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 08:52 x
lucca-truthさん
荷風先生は、東京のたいがいの街を歩いてます。
この地蔵さんたちも、「ひょっとして作品のどこかに書いてあったっけ」と改めてページを繰ると、案の定、ありました。
荷風作品は、街撮り者の教科書でさえあります。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 08:52 x
rrbさん
>1枚めの水道の蛇口が井戸のポンプであったら、
実は、rrbさんと全く同じことを考えながらシャッターを押していました。
そうなんですよ、水道が井戸だったら、濡れそぼる井戸も撮れたわけで、これ以上ない組み合わせですよね。
完璧な被写体ってのは、なかなかお目にかかれませんね(だからこそ面白いのですが)。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 08:52 x
@テツさん
この日は、雨上がりという条件にかなり助けられました。
と言うか、雨上がりでなければ、たぶんシャッターを押すこともなく通りすぎたろうと思います。
明日は雨の予報。濡れた街を撮りに行こうか思案中です(気温も30度以上になりそうなので、メゲてしまうことも大いに予想されますが)。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 09:10 x
haru-155さん
実は、この日は全く別の被写体を撮ろうと思っていたのです。
この地蔵堂の前は何度も通っていましたが、それまでシャッターを押したことがありませんでした。
でも、雨に濡れた薄暗い感じがちょっと好いな、とフラフラと惹かれてしまいました。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 09:10 x
nobulinnさん
墨堤通りは、荷風をはじめさまざまな文学作品に描かれていますよね。
でも、(おおかた予想しつつも)大昔とのあまりの変わりように絶望する――おいらは、そう感じてました。
かつての面影を求めるほうがムリってもんでしょうが、それでも地蔵さんたちは戦禍も生き抜きました。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 09:10 x
jitensya7さん
補正もさることながら、雨の情景を撮っていて気づいたのは、PLフィルターの使い方です。
雨に濡れた舗道などを、PLを全く使わずに撮ると、濡れた部分がテラテラ光り過ぎてしまい、逆にPLを目一杯効かせると、全くテラテラ感が消え、濡れた感じが出ません。
そんなわけで、雨の情景は、なかなか撮り甲斐があります。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 09:11 x
aoi_colorさん
くどいようですが、このあたりの情景について荷風先生は、「路端に石地蔵が二ツ三ツ立っていた」としか書いてません。
ということは、戦前は、こんな立派な地蔵堂はなかったんでしょうね。
でも、地蔵そのものは、どれも大昔のものばかりです。淫祠――ナゾだらけです。
Commented by マフィンマン at 2007-07-01 09:11 x
zimaさん
おいらも、「よだれかけ」だとばかり思っていましたが、違うのかな。
よだれかけが子供を象徴している「記号」なのかな、と。
言われてみると、確かにイカツいですね、この地蔵たち。撮っている時は気づきませんでした。フツーは、もっと可愛らしい地蔵があるもんですけどね~
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