町屋  田山花袋の絶版を200円で買う

京成線高架の目の前に、この『古書店』はありました。
自宅の一部を改造し、古書は毎日こうして自宅の塀沿いに並べるそうです。
田山花袋の 『東京近郊 一日の行楽』 (田山花袋)200円などを購入。今はなき社会思想社の教養文庫です。
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今どき、田山花袋を読む人なんて、指で数えられるほどしかいないんじゃないの? そもそも、『田舎教師』 くらいしか店頭に並んでないしね。若者なら、『たやま・はなぶくろ』 なんて呼んじゃいそうだ。『人間だもの、の人でしたっけ?』 とかね。
それはともかく、田山花袋は、退屈な自然主義作家としてしか知られていないと思うが、実は、東京についての随筆や紀行文などを多く残しており、先日図書館で借りた 『東京の三十年』 (岩波文庫、品切れ)も面白かったね。
この日買った 『東京近郊 一日の行楽』 は、初出が1918(大正7)年。当時の東京の郊外を東西南北の4つに分けており、それぞれを、
▽東郊=隅田川以東
▽西郊=板橋から渋谷、目黒あたりを起点に、扇のように開いた区画
▽北郊=千住、赤羽周辺。滝野川、飛鳥山なども含む
▽南郊=京浜電車の沿線。大森、川崎あたり
――としている。
東京の 『中心部』 がごくごく狭いエリアに限られていた、ということが改めてよく分かる。
おいらは昨日7日(土)、例によって、北千住から南千住あたりに出かけたのだが、千住大橋も撮影した。現在の千住大橋は、1927(昭和2)年に竣工しており、田山花袋がこの本を書いた時代と同じ場所かどうかは定かでないが、次のように描写している。

千住の大橋に立つと、殊に東京の町外れだという感を深くする。橋の上を通って行く荷車、荷馬車、川岸には木材を並べた材木店などが夕日に彩られて、上流から下して来た筏(いかだ)が其処(そこ)には一杯ついている。
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by muffin-man | 2006-10-08 09:25 | 町屋/荒川区荒川/三河島 | Comments(22)
Commented by lucca-truth at 2006-10-08 09:47
おはようございます
古書店のずらっと並んだ本壮観ですね。
後ろのお家もちょっと気になりますね。
昔は東京の中心部随分狭かったんですね、
江戸時代とほとんど変わってないみたいですね。
Commented by medkid at 2006-10-08 13:11 x
昔、よくこんな景色を見ました。
「昔かぁ‥」こんな言葉を使う自分が、ここにいるのが何故が可笑しい‥。千住新橋、期待してま〜す。
Commented by aoi_color at 2006-10-08 15:44
店主。私の憧れです。
古書に囲まれ、腕組みしながら椅子でうたた寝。
8番停留所の古書店秋の余韻ただよう
Commented by rrb at 2006-10-08 16:17 x
こんにちはm(..)m

古本店…すごい量ですね。突然の雨とか大変でしょうねぇ(^^)
店番のおじさんは一日中こうしているのでしょうか?
Commented by henronin at 2006-10-08 17:25
のどかでいいですね、自分の記憶の中の店主は大体こんなものでアクセクした店主はいませんでした。
Commented by kakeru922 at 2006-10-08 18:54
初めまして
この本屋の前よく通ります
藍染川通りでしたっけ?
町屋のメイン通りが混んでるときや車の頭の向きを変えたいときなどはよくこの辺りを通っていきます
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 20:56 x
lucca-truthさん
田山花袋によると、少なくとも大正時代まで町屋は完全に郊外だった、ということになりますね。今は、『東京郊外』と言うと、どのへんが境なんでしょうね。
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 20:59 x
medkidさん
千住大橋は、日中に撮りました。美しく橋を撮る、というよりは、ちょっと“ネタもの”と言えるかもしれません。橋のたもとで、あるモノを発見したのです。近いうちにアップします
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 21:00 x
あおいさん
よく見るとお分かりかと思いますが、路上にせり出しているのは柿の木です。が、残念ながら、まだほとんど色づいていません。真っ赤に実ったら、再訪しようと思います。
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 21:02 x
rrbさん
鋭いご指摘。確かに雨の日は困りますねえ。次回、取材してみます。ご主人は、決して居眠りしているわけではありませんが、大体、ここが定位置でこうしているようです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 21:05 x
遍路人さん
それまでずっと欲しかった本を古書店で発見した時の喜びって他に代え難いです。マイブームの田山花袋は、もともと文庫本化された作品が少ないのです。まして、版元は倒産してしまったし。この店で発見した時は、飛び上がりそうに嬉しかったです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-08 21:08 x
kakeru922さん
初めまして。そうですね、そんな名前だったと記憶してます。ちなみに、このバス停は巡回バスでして、画面には写ってませんが、交代の運転手さんが“バス待ち”してました。ほのぼのです。
Commented by Rambler5439 at 2006-10-08 21:56 x
まっとうな古本屋さんは、こうでなきゃてけません。やや左に傾いだ構えから、この親爺、かなりの手練と見ました。普段は居眠りばかりしていますが、客から訊ねられたことには、どんなオタッキー質問でもサラリと答えてくれるはずです。
Commented by igu-kun at 2006-10-09 00:26
これは素晴らしい風景ですね。
個人的にはどこか不安定な塀に、その後ろの木
そしておじさんのポジションが何とも気に入ってしまいました。
それぞれのバランスが絶妙なんですね。
Commented by nobulinn at 2006-10-09 01:50
マフィンマンさんのお話を読んで、小津の「東京物語」の中で千住のことを東京のはずれと言っていて、見たとき少し意外に感じたことを思い出しました。このおじさん、一日中こうやって、お店番しているのでしょうか?
Commented by マフィンマン at 2006-10-09 07:42 x
Rambler5439さん
昔懐かしい旺文社文庫もたくさん置いてありました。 昭和40年代に、世界の名作を箱入りの丁寧な装丁でまとめた文庫なのですが、店主は、『これ、箱に入っていたんだけど、箱はすぐ傷むからね』と、プロの口調で話していました。
Commented by マフィンマン at 2006-10-09 07:44 x
igu-kunさん
バス停では女子高生がバス待ちしており、 『ああ、こりゃあ、今年最高の写真が撮れる!』とほくそ笑んだのですが、あっと言う間にバスがやって来てしまいました。写真は一瞬の勝負なんだ、と改めて思いました。
Commented by マフィンマン at 2006-10-09 07:49 x
のぶりんさん
『東京物語』は昭和28(1953)年ですから、大正時代と言わず、この時代もまだ千住は 『郊外』 だったのですねえ。もっとも、たぶんそれは劇中の会話として出てきたのでしょうから、正確に言うと、当時の大人たちは、千住をまだ 『郊外』 と認識していた、ということなんでしょうね。
Commented by Rambler5439 at 2006-10-09 07:55 x
>昔懐かしい旺文社文庫もたくさん置いてありました

薄緑色をしたハードカバーの文庫本ですね。懐かしい。日本の近代文学を中心にして、ずいぶん世話になりました。旺文社、もういちど元気になったほしいものです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-09 08:10 x
Rambler5439さん
旺文社文庫は、脚注が異様に充実してましたよね。一つの作品で、脚注が数十ページにも及び、本作よりも脚注を追うのに必死でした。
Commented by 風俗散歩 at 2006-10-09 09:35 x
正面から撮っているアングルが良いですね。キリンビールのケースと板とダンボール、そして、居眠りをしているおじさん。すばらしいです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-09 12:37 x
風俗散歩さん
店主は決して居眠りしているわけではないんですが、ちょっとそう見えるかもしれませんね。撮影技術の未熟さが出てしまいました。
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