秋葉原  馬場君と行ったラジオセンター

中学1年の時、同級生の馬場君に誘われて行ったのが、初めてのアキバ体験でした。
行き先は決まって、『ラジオセンター』。何度か火災に遭ったと聞きますが、ゴッタ似的風情は30年以上前と基本的に変わらないですね。
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《 憧れの2000GXワールドボーイ ① 》
馬場君は、勉強はからきしだったけれど、無線やラジオなどの知識は豊富で、自宅に遊びに行くと、いつも電機部品やら基板、細いコードなどが机の回りに散らばっていた。全てラジオセンターで調達したものだという。本棚には、自作のラジオやトランシーバー(のようなもの。正体不明)などが並んでいた。
アマチュア無線もよくやり、マイク片手に、『東京は秋雨前線の影響で曇ってきましたねえ。そちらはどうですか』などと、大人びたやり取りをしていた。教室で一日中ボーッとしている馬場君とはまるで違う馬場君が、そこにいた。彼にだけは、敬意を込めて『クンづけ』で呼んだ。

何度目かのアキバ行きの際に、今まで見たこともない、カッコいいラジオをある店で見た。
ナショナルの 『2000GXワールドボーイ』。
エレキギターのアンプにちょっと似た独特のスタイル。不必要なまでに大きいインジケーター。タイマー付きだから、深夜放送を聞きながら眠ってしまっても、へっちゃらだ。とどめを刺すのは、たかがラジオとは思えない、スポーツカーのようなイカした商品名。
『松下もやるね。21世紀のラジオを先取りした感じだね』
馬場君の口調はあくまで冷静で大人びていたが、おいらは自分が誉められているようで、うれしかった。

そんな憧れのラジオをようやく入手できる日が来た。必死で貯めた小遣いやお年玉を握りしめ、一人で秋葉原に向かった。帰宅すると、まずは馬場君に知らせようと、彼のウチに走った。
思わぬものが待っていた。(つづく)
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by muffin-man | 2006-10-01 00:16 | 秋葉原/神田 | Comments(10)
Commented by Rambler5439 at 2006-10-01 06:42 x
いましたねえ、ラジオ少年。あの頃はどんなに田舎でもコンデンサやバリコン、真空管といったパーツを売る店があって、年代を問わずラジオやアンプを自作する人がいました。我が家では兄が典型的なラジオ少年で、プレーヤーを除くすべての機器を自作したオーディオ設備をもっていました(ちなみにスピーカーは壁をくり抜いて設置され、のちにその部屋の住人となったぼくは、冬のすきま風になやまされることになりました)。戦後日本の発展を支えた技術者たちの多くは、おそらくラジオ少年だったのではないでしょうか(一方、わが兄はその後オネエちゃん好き青年へと変貌し、国家の発展を支えることなく文京区方面で棲息しています。ぼくも人様のことを揶揄できる立場じゃないんですけどね)。
Commented by laugh7 at 2006-10-01 06:57
おはようございます
ははっ~ 続くんですね!驚きました、次は早くしてね!
何度も通った場所です、あなたが馬場君ならもっと良かった
かも知れません
Commented by lucca-truth at 2006-10-01 07:47
おはようございます
夫にとっても秋葉原ラジオセンターは思い出の場所のようです。
やはりオーディオを自作していたようです。
秋葉原にも懐かしい風景が残っていますね。
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 08:48 x
Rambler5439さん
当時は、情報を入手する方法も限られていたので、ラジオ少年たちの“オタク度”は、今の『オタク』と称される少年たちより凄みがありましたよね。とんでもない変わり者でしたが。
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 08:50 x
laugh7さん
本当は、ラジオセンターの内部の写真のほうが、断然面白い写真が撮れるのです。店頭にぎっしり並ぶパーツ類は、何が何だか分かりませんが、写欲を猛烈にかき立てられます。
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 08:54 x
lucca-truthさん
えっ、lucca-truthさんの旦那さんもですか?! やっぱり秋葉原の“求心力”って、凄いんですね。男たちの聖地ですね。近年は男女や年齢差を問わず人が集まるようになり、行くたびに、東京で一番活気がある街だな、と実感します。
Commented by rrb at 2006-10-01 14:52 x
こんにちはm(..)m

どの世代にもある種「おたく」といわれる人はいるのですよね。
そういえば…アタイのクラスにもいましたよ。
ラジオ系オタクが…。
今では、アタイも一種のオタク…写真オタク…ですね(^^)

続きが早く読みたい!
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 17:39 x
rrbさん
アキバは結局、昔も今も、オタクで成り立っているんだな、とラジオセンターに行くと実感します。おじさんたちが、忘我の眼差しでわけの分からんパーツをしげしげと眺めていますからね。
でも、この独特さこそが、街の個性であり、“長寿”のワケだと思います。
Commented by 風俗散歩 at 2006-10-01 23:53 x
秋葉原は、私もよく散歩します。写真のラジオセンターの路地は、昔のままの雰囲気ですね。第2話楽しみです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-02 06:52 x
風俗散歩さん
アキバでどこが好きかと言ったら、ラジオセンターを中心とした一角が一番好きなんです。電子部品に興味はまるでないのですが、センターの中の迷路は大好きです。
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