北海道・上士幌町  初冬の廃屋

今日は久しぶりに東京の街角を離れ、『おまけ』カテゴリの写真です。
昨年10月末に撮影。札幌出張の折りに休日を利用して、道東の上士幌町まで足を伸ばしました。ペンタックスistDSを購入してまだ間もない頃で、完全な日の丸構図です。
紅葉もすっかり終わり、エゾシカのフンがたくさん転がっていました。さすがにここでは、通行人を入れて撮るなんて “街撮りの基本技” はできません。
白一色の、音のない世界が間もなく訪れます。
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《 音のない街 》
高校卒業とともに東京から単身、札幌に渡った。東京の狭くて、小汚くて、やかましい街にウンザリしていた。結局、北海道にはかれこれ10数年間暮らした。
札幌で迎えた初めての夜。大学の学生寮で先輩たちに焼酎を丼で何杯も飲まされ、玄関先でいいだけ吐くと、ふと我に返り、あまりの静けさに驚いたことがある。
何一つ音が聞こえない。いや、正確に言うと、寮の部屋から学生たちの笑い声と、近くの森から乾いた風の音は時折聞こえてくる。
だが、それだけ。笑い声が絶え、風がやむと、何も聞こえない。こんなことは初めてだった。何せ、つい半日前までの18年と数カ月間、喧噪と騒音の街で暮らしていたのだ。
『東京を脱出したのは、こんな経験をしたかったからだ。愛してるぜ、北海道』
興奮し、再び焼酎の嵐を浴びに部屋に戻った。

ああ、18歳のあの夜から幾星霜。おいらはいつの間にか、狭くて、小汚くて、やかましい東京で、路地裏やトタン家屋なんかを撮って嬉々としている。

北海道の写真は、ここにも1枚だけあるよ。
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by muffin-man | 2006-09-30 07:17 | おまけ | Comments(16)
Commented by Rambler5439 at 2006-09-30 08:03 x
おそるべしマフィンマン ! えらいぞ北海道 ! 凄い !!! 気動車用の機関庫でしょうか。これだけで、ご飯三杯は軽くいけそうです。このとき撮った写真を"ノスタルジー・シリーズ"としてぜひ公開してほしいものです。
(影響され易いタチなので、久々に"出奔"して、北海道を放浪しちゃったりして・・・・・)
Commented by at 2006-09-30 08:22 x
静けさが素晴らしい。
何だか切なくなります。

北海道での生活、何か私小説を読んでいるようです。
なかなかの文才をお持ちです。

先日の浅草の火事、新聞にも出ていましたね。
その折の作品を拝見したときには思わず、うなってしまいました。
消防車と自転車の女性を囲むようにして覗くスタイル。
脱帽です、上手いです。

私も交通事故の場面に出くわしまして、音が聞こえてその方向に
視線をやったらバイクがトラックの後方に突っ込んだところでした。
その折、カメラを持っていましたが、人の不幸は撮れませんでした。
でも先日の火事の写真は状況を程よく抑制の効いたものでした。
その辺りの上手さには完全に脱帽です。
Commented by rrb at 2006-09-30 15:37 x
こんにちはm(..)m

この殺風景な風景が、白銀の世界。
白以外は何もない。
白に閉ざされた世界…しばし…幻想にふけってしまいましたm(..)m
Commented by lucca-truth at 2006-09-30 16:35
こんにちは
まだ雪の降る前の静かなひと時ですね。
雪の世界もいいですが、こんな情景も素敵ですね。
Commented by aoi_color at 2006-09-30 17:50
マフィンマン さんドラマチックです。
南は人の陽の原風景があるようで
北は人の陰の原風景があるようです。
建物の感じから板、窓、煙突一つ一つのパーツがまるで模型のようです。
廃線跡でしょうか?北にはこうした廃墟、廃屋が多いですね。
Commented by henronin at 2006-09-30 18:35
自分は音のしない所はダメです、騒音が良いのです 波の音や川のせせらぎはなんかムズムズして落ち着きません、騒音を子守唄にして育ったせいかも?
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:18 x
Rambler5439さん
詳しくは分かりませんが、これは営林局の建物だったようですよ。
そうですか、Rambler5439さんも放浪癖があるんですね。おいらの北海道時代を、おふくろは、『長~い放浪期間』と称し、今は今で、週末ごとに街撮りに出かけるおいらを、カミさんは、『また、放浪に行くの?』と揶揄します。
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:26 x
森さん
過分なお言葉、ありがとうございます。昔、北海道で報道カメラマンをしていた知人は、真冬に屋根から落ちてきた雪に埋まった人を通行人が救出している現場に遭遇し、一緒に必死になって除雪し、無事助け出したそうです。
『写真より人の命のほうが大事に決まってるべさ』
と言ってましたが、助け出され、生きていることを確認した直後に撮影し、紙面に載せたそうです。
プロですよね。
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:28 x
rrbさん
降雪期を迎える直前になると、『雪虫』という雪に似た小さなムシが宙を舞っているのを目にすることが出来ます。雪虫を見かけたら、『ああ、間もなく雪の季節か』と、しみじみします。
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:31 x
lucca-truthさん
この季節は、空気も土もとても乾燥しているので、森の中を歩くと、落ち葉を踏みしめる乾いた音が響きます。立ち止まり、耳を澄ますと、どこかでも落ち葉を踏む音が聞こえ、見渡すと、エゾシカがこちらを見ていた――ということもありました。
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:36 x
あおいさん
本当のことを言うと、こういう風景を撮ろうとクルマを走らせたのではなくて、廃線後のコンクリート橋の撮影が目的でした。ところが、道に迷って、探し出せずに終わったのです。
↓こんなところです。
http://www.hokkaidoisan.org/heritage/035.html
Commented by マフィンマン at 2006-09-30 21:43 x
遍路人さん
遍路人さんがあの頃の札幌にいたら(と言っても、学生寮は中心部からちょっと外れてますが)、ノイローゼになったかもしれませんね。おいらも実際は、東京の騒音に懐かしさも感じてました。
Commented by igu-kun at 2006-09-30 23:01
煙突がステキですね。
寒い日にはここからストーブの煙が出ていたのでしょうね。
田舎の静けさには本当に驚かされますね。
騒音があるのが当たり前の環境で育った耳にはかえって刺激的かもしれませんね。
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 00:09 x
igu-kunさん
昔は、石炭ストーブが当たり前でしたから。おいらも札幌で一時期、石炭を使ってましたが、いつまで~も部屋が暖かく、朝起きるのも苦痛ではなかったですよ。
Commented by nobulinn at 2006-10-01 00:36
こんばんは!
とっても静かで、さびしくて、詩的な風景ですね。
ちょっとせつなくなるような、美しい写真です・・・文章も・・・
枯れた感じがとても好きです。
Commented by マフィンマン at 2006-10-01 08:44 x
のぶりんさん
同じ廃屋や古物件でも、北海道の、特にこういう田舎の物件は、荒涼感もひとしおです。エゾシカのフンをいっぱい踏んでしまいました。
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