水道橋 三島由紀夫が見たジェットコースター

ジェット・コースターは、繊細な鉄骨で編んだばかりにあちこちがほぐれてしまった空っぽな籠のように、十一月下旬の夙(はや)い暮色の空を透かしていた。

三島由紀夫の遺作『天人五衰』の一節です。主人公の青年(16)が家庭教師と2人で後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティ)周辺をブラブラ歩いている――そんなシーンでした。
この一節を再現したいなあ、と東京ドームシティに出かけたものの、真夏の強すぎる光は隠しようがありませんでした。
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『天人五衰』は、後楽園ゆうえんちの界隈をこう描写しています。

六号線の地下鉄工事が車道をめちゃくちゃにし、いたるところに高い櫓を囲っていた。

『六号線』とは、都営地下鉄・三田線。1968年に巣鴨~高島平間が先行開業し、三島の自刃(70年)から3年後の73年に三田まで延伸しました。よって、ここで言う『地下鉄工事』は、延伸工事のことを指しています。『車道』は、白山通りですね。
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by muffin-man | 2006-08-23 22:44 | 神保町/水道橋/千鳥ヶ淵 | Comments(16)
Commented by Rambler5439 at 2006-08-23 23:33 x
ダイナミックな構図なのに繊細さも併せもった、いい写真ですね。コースター、支柱、雲、一番奥にある残照と、メリハリのある濃淡の組み合わせも素晴らしいと感じました。焦点距離は何ミリだったのでしょうか。
Commented by tink_ilis at 2006-08-24 07:13
おはようございます、先日はコメントありがとうございましたm(__)m
このお写真は大迫力でマフィンマンさんワールド炸裂ですネッ!本当にシルエットの表現がステキです。
僕も撮ってみたいのですが、自分のセンスの無さを痛感させられます。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 07:15 x
お早うございます。
これは、ペンタックスist DS のキットレンズであるDA18-55㍉の望遠側で撮りました。一脚を使ってます(三脚も持っていたのですが、混雑しているので、自粛しました)。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 07:20 x
おっと、ティンクとイリスさん、コメントが入れ違いになってしまいました。
お褒めの言葉、大変有り難いのですが、実はここ、とても撮りやすいんですよ。TDLなどと異なり、園内は狭いうえに、3階の通路部分まで上がると、55㍉でもここまで寄れるんです。撮り手にやさしい場所です。
Commented by lucca-truth at 2006-08-24 07:34
おはようございます
夕暮れのジェットコースターですね。
小石川後楽園の帰りに、青空の下で一度撮った事があります。
シルエットのジェットコースターもステキですね。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 07:40 x
lucca-truthさん
ジェットコースターの乗客は、たいてい万歳のポーズをしてたりするので、動きのあるシルエットとして最適ですよ。
Commented by rrb at 2006-08-24 11:37 x
こんにちはm(..)m
>小説の一節を再現したい…
ステキですね。
いつかしてみたいと考えたことがあります。
けれど…現実的に無理、根性がありませんでした f(^^;

マフィンマンさんの写真の世界はホントにステキです。
日々楽しみにしていま~す。
Commented by igu-kun at 2006-08-24 13:43
素敵な1枚ですね。
三島由紀夫が見たであろうジェットコースターは
まさにこんな感じだったのではと想像しています。
色合いが本当に綺麗ですね。
Commented by henronin at 2006-08-24 18:03
やはり三脚とはいかないが一脚を使っているんですね、ブレは許せなですよね、繊細な鉄骨の美しさが雲と夕日に映えています。
Commented by あおい at 2006-08-24 22:22 x
はじめ写真の頭が見えたとき炭坑か石油基地かと思いました。
ジェットコースターだったとは……!!
なんだか後戻りできない永遠と走り続けるコースターのような……
Commented by jitensya7 at 2006-08-24 22:35
スゴイのひと言です。シルエットになったジェットコースターがいったいどこへ向かっているのだろうかという印象を受けました。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 22:37 x
rrbさん
小説の一節を再現したい――と言っても、時代も異なるし、何より、テーマまでは所詮再現できっこないですよね。あくまで、1つの文書だけってことで。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 22:39 x
igu-kunさん
あの小説が書かれてから(つまり三島由紀夫の自刃から)36年。
考えてみれば、TDLなどの新興勢力にも負けず、後楽園ゆうえんちも頑張ってますよね。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 22:43 x
henroninさん
ちょっと前までは、手持ち撮影に自信があったのですが、やっぱり精細な絵を求めるには道具は欠かせない、と思うようになりました。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 22:45 x
あおいさん
>なんだか後戻りできない永遠と走り続けるコースター
カッチョいいですね。と言うか、ちょっと怖いかな。いや、よく考えると、可笑しいかな。走り続けるうちに、乗客もすっかり慣れ、気持ちよく寝てしまったりとか。
Commented by マフィンマン at 2006-08-24 22:49 x
jitensya7さん
>シルエットになったジェットコースターがいったいどこへ向かっているのだろうか
水道橋の駅に着いたりして。
あるいは、そのまま地下鉄・三田線に接続していて、地下をゴーッと大手町あたりまで爆走するとか。
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