母が亡くなって1カ月余り。
悲しみの激情は収まりつつあるが、その代わり、悲しみは心のどこかに住み家をつくり、ときおり顔をそっと覗かせる。
紅葉はどこまで進んだろう、と観に行った新宿御苑でも、母のことをふと思い出した=12日(土)撮影。
東日本大震災の年の春、両親を連れて花見に行った。
ビニールシートを用意し、伊勢丹の地下で弁当や酒を買ったのだが、震災からまだ1カ月と経っていないためか、一向に盛り上がらない。
そのうち雨が降ってきたので、退散した。
思い出とも言えぬ、ただそれだけのことなのに、なぜか愛しく、懐かしく思えた。
何を見ても何かを思いだす――ヘミングウェイにそんなタイトルの短編があった。
わたしが書いた
『東京街角 お地蔵・稲荷・石塔めぐり』では、都心部にたたずむ地蔵や狐像を、お守りする人々と共に写真で紹介しています。
よろしかったら、お手元に1冊!