滅多にないことだが、鎌倉に行った、一人で。
市立中央図書館で資料を探すためです。
それはさておき、用事を済ませた後、駅の周辺をブラブラしていると――、
微妙にカーブする石畳の向こうから「昭和」な匂いが馥郁(ふくいく)と香ってきた。
わあ、煙突だ。
お邪魔しますよ。
振り返ると、ああ、なんて「昭和」な。
でも、ひとけがない。
門扉だけが残されていたり、
機械式の井戸ポンプが錆びついたままになっている。
郵便受けにチラシがたまったままだったり、
郵便受けが取り外されている家屋もある。
覗いてみると、あ、呼び鈴。
鳴らしても、誰も出てこないだろう。
いや、そもそも鳴るのか。
こちらは屋根付きのインターホン。
ナショナル製だ。
この大量の石は、家屋を解体した際に出たものだろうか。
すぐ裏手には江ノ電が走っている。
腹減った。
若宮大路に出ると、鎌倉中央食品市場の一角に真っ赤なラーメン屋が。
「大新」にて大新ラーメン750円をいただく。とんでもなくうまい。
先週の上板橋でもそうだったが、ふらりと入った店でうまいものをいただくと、すごくうれしい。
再び歩くと、通り沿いに空き家。
ガラス窓の向こうも枯れている。
似たような光景を見たことがある、と思い出したのが、
荒川区荒川で見た家屋だ。
ゆく川の流れはたえずして。
わたしが書いた
『東京街角 お地蔵・稲荷・石塔めぐり』では、都心部にたたずむ地蔵や狐像を、お守りする人々と共に写真で紹介しています。
よろしかったら、お手元に1冊!