日比谷公園には「山」がある。
「三笠山」という立派な名前の霊峰が。
明治36年製の水飲み場の横に、人知れず「登山道」の入口。
急峻な登山道を行く。
本格的な装備が必要なほど険しい。
岩場は崩落の恐れあり。
ナメてかかると、大変よろしくないことになる。
ここから先はベテランでないと登れない。
しかも途中、こんな危険な生物が待ち構えている。
そう言えば、大昔『かまきり夫人の告白』という五月みどり主演のエロ映画があった。
夫人とナニした男たちはみんな破滅していく、というおぞましくもチープな物語だ。
ようやく頂上に着いた。
大災害の痕跡だろうか、巨木が枯死したまま残されている。
頂上に山小屋などない。
下界のはるか向こうに、日比谷のビル群。
「ヤッホー!」と叫ぶと、見事なやまびこが聞こえた。
三笠山を堪能したところで、さて、下山しよう。
ふもとはすっかり秋だね。
わたしが書いた
『東京街角 お地蔵・稲荷・石塔めぐり』では、都心部にたたずむ地蔵や狐像を、お守りする人々と共に写真で紹介しています。
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