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川崎  石仏の森に新緑満ちて

川崎のはずれに「首なし石仏」があると聞いて訪れました。
久しぶりに、自転車で。
都内の自宅からわずか約30キロ。 ウグイスが鳴き、キツツキが木を叩く音が聞こえるド田舎。 川崎は広いね。
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筍(たけのこ)がそこら中に。
「ここまで育っちゃうと、おいしくないよ」
撮影していると、道行く人に声をかけられました。 おいおい、盗掘なんてしないよ。
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迷ってしまい、田舎道を行ったり来たり。
たまたま遭遇した若いお巡りさんに道を尋ねた。
彼も転任してきたばかりで、よく分からないというので、彼が持っている住宅地図で2人で確認したところ……、
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どうやら、この先のようなのだが、まさか。
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半信半疑で進むと、あ、鳥居。
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階段を上ってみよう。
巨大な筍(左)がお出迎えだ。
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鳥居のかたわらに石像が並んでいる。
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ん? 石仏なのか?
どれも摩滅が激しく、像容がはっきりしない。
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だが、本当に石仏だ。 首がない。
よく見ると、手を組み合わせているのが辛うじて分かる(右の2体)。
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石像は計8基あるが、こちらは庚申塔。
青面金剛(しょうめんこんごう)像が確認できる。
天明8年と刻まれている。 1788年だね。
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いたるところ竹藪。
ここは廃寺の跡というが、昔はどんな風景だったんだろうね。
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さらに奥へと進む。
階段がもう1つ見えてきた。
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墓場だ。
江戸期のものが多いが、明治~昭和期の墓石もあった。
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観音像は元禄3年(1690)造立。
先ほどの庚申塔より100年近くも古い。
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墓地はもう1カ所ある。
石仏の首?が土に埋もれていたので、掘り起こして差し上げた。
かれこれ2時間ほど森の中にいたが、わたし以外誰も来ず、ウグイスが鳴くのみ。
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「首なし石仏」や「首なし羅漢」というと、維新期の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の結果である、とする説が一般に流布しているが、実際には地域によって事情が異なるようだ。
関東ではこの他、七輿山古墳(群馬)の「首なし羅漢」も知られています。
そうした諸々は、別の機会に。
ところで、わたしが書いた『東京街角 お地蔵・稲荷・石塔めぐり』では、都心部にたたずむ地蔵や狐像を、お守りする人々と共に写真で紹介しています。
よろしかったら、お手元に1冊!
by muffin-man | 2014-05-02 21:11 | おまけ
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