林間を歩いていると、異様な構造物が現れた。
ここは今でこそ公園だが、戦前は陸軍用地で、銃砲器の性能試験が繰り返された。
あれは、軍の倉庫か何かだろうか。
左右対称ではない。
前に回ると、トンネルのような。
中に入ってみる。 足下は砂だ。
帰京して調べると「射入窖」(しゃにゅうこう)という、発砲試験が行われた施設で、下が砂なのは、弾を受け止めるためという。
さらに行く。
前回の「炭団」の兄貴分のような構造物が見えてきた。 ちょっとだけ「ガチャピン」に似ている。
正面には、銃眼のような穴が開いている。
うしろはこんな姿。
これも炭団と同様、「観測壕」とも「監視所」とも呼ばれた施設だ。
穴から銃砲器の試射の様子を観測したという。
これらの戦争遺跡は、あと3カ月もすれば緑に埋もれ、再び人目から隠されてしまう。
だが、落葉の季節が訪れても、深い森の中、気づく人は多くはないだろう。
まして、構造物が一体何なのか、を知る人も(現地には案内板などは一切ない)。
戦争遺跡は21世紀の今日、静かに眠るだけだ。
ぶらり~散歩♪